"火伏せ"とは、大野兼正刀匠があみ出した操業の操作の一つです。
操業終盤に最後の砂鉄を投入した後、炭を入れるのも止めます。
その時点から炭が減っていくと、炉の上部に空間が出来ます。
今まで炭があった時と比べ、風が抜けやすくなり羽口前の通気状況が変わります。
それを防ぐために、藁や生草などを投入し、炭化した藁や草の層を作り通気に抵抗を掛けます。
最後に投入した砂鉄が炉底に降下するまで、その層を維持調整することにより
通気状況を安定させます。この作業が"火伏せ"です。これにより、炭がかなり節約できます。
何百回何千回と操業された大野師匠の経験による生活の知恵ですね。
大きなイベントなどで予算があり燃料も余りあるなら、この火伏せをしなくても
最後の砂鉄が降下するまで炭を投入し続ければよいのです。
それで充分安定した送風が最後まで出来ます。
藁をちょこっと振りかけるだけで火伏せと称しているを目にする事がたま
にありますが、間違って伝わっているのでしょうか。意味がありません。
ホームへ たたらTOPへ