現在、こちらの操業では羽根車タイプの電動送風機を使用しています。
羽口は鋼管を使った直管のストレートなタイプです。もちろん、鋼管そのままでは
溶けてしまうため、炉が乾いたら溶けないところまで手前に引っぱってずらしています。
送風の調整は吸入側のスライドプレートにより行います。
一方、昔のたたら製鐵の炉は先が細くなるテーパー状の羽口断面になっています。
この断面の径の変化により風量の調整を行っていたようです。
(あくまでこれは伝えられている資料によるものですが。)
たたら製鐵が現役の時代には、ふいごのようなピストンタイプの送風機を使用していました。
現在の日刀保たたらさんでも、動力はモーターながらもふいごを使用した送風になっています。
ふいごの場合、羽口先が細くなっていても、ピストンを押し込んだ分の空気が送られます。
羽口先が小径の場合には、勢い良く強い風が出るでしょう。ところが、電動送風機の場合には、
その機種の性能を越えての押しは利きません。羽根車が空回りしている状態になります。
そのため、テーパー形状の羽口を持つ炉では、ふいごのような送風機が相性が良いと思われます。
もちろん電動送風機でも、圧力の出せる機種ならふいごと同じように使えるでしょう。
掃除機の排気を使った送風も、モーターが性能良ければ、普通の送風機よりも有効でしょう。
ただ、過去の復元実験の中には、テーパー羽口と高圧を出せない電動送風機という相性のよくない
組み合わせのものもあったようです。送風機の方式によって送風性能が大きく違うとすれば
果たして、その実験では過去のたたら製鐵を忠実に復元できていたのでしょうか。
この事に関してはいつの日にか、物好きな、もしくは暇と財力のある大先生が解明してくれるでしょう。
‥‥‥などと独り言を。
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